多摩の地理
多摩の地理では、多摩地域の地理について詳述する。
領域[編集 | ソースを編集]
東京都のうち、武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市、西東京市などから西方の地域を、多摩地域という。東京23区と島嶼部(伊豆諸島および小笠原諸島)を除く全域である。26市3町1村、合計30の自治体を含む。面積は1,160km2。
関東山地に近い西多摩については、奥多摩と呼ばれることもある。
領域の変遷[編集 | ソースを編集]
古代律令制時代には多摩郡があり、鎌倉時代に非公式に西多郡および東多郡が成立した。明治時代には、新政府により北多摩郡、東多摩郡、南多摩郡、西多摩郡に分割された。多摩地域のほとんどの町村が市制施行しており、現在も残存している郡は西多摩郡のみである。ただし多摩郡以来、多摩地域の領域に大きな変化はない。
地形[編集 | ソースを編集]
多摩地域は、中央を多摩川が東西に貫通し、その両岸を立川段丘、青柳段丘、拝島段丘といった河川段丘が囲む構造となっている。
河川段丘の終わりにある国分寺崖線を越えると、多摩川の南には多摩丘陵が、北には武蔵野台地が広がっており、多摩地域の大部分はそれら台地状の地形が占めている。国分寺崖線のような多摩川河岸には湧水が湧き続けており、有史以前からヒトも定住していた。武蔵野台地の中には、島のような形で周囲より高くなっている狭山丘陵がある。
西部には雲取山や高尾山など、関東山地の山々がそびえ、標高は最高で2000m以上になる。また奥多摩には奥多摩三山と呼ばれる三頭山、大岳山、御前山がある。
水系[編集 | ソースを編集]
多摩川水系[編集 | ソースを編集]
多摩川は山梨県笠取山を源流とし、奥多摩湖(小河内ダム)を経て青梅から平野部へ流下するルートをとっている。多摩川を本流とする多摩川水系が、多摩地域のほとんどを占める。多摩川本流はその両岸を台地に囲まれているという特徴により、古来から大きな河道の変更が少なかったため、大規模な治水事業は行われていない。一方、他の河川と比べて川底が浅いものの流れが急である。
先述のように武蔵野台地は扇状地で、水はけがよかったことから、古代より渇水が課題であった。そのため明治時代以降は運河の整備がなされるようになり、羽村市の羽村取水堰から四谷大木戸までを結んだ玉川上水や、分流して埼玉県新座市方面へ流出する野火止用水などが掘削された。
多摩川水系以外[編集 | ソースを編集]
一部ではあるが、多摩地域には多摩川水系でない河川や水系も存在する。
- 境川 - 東京都町田市と神奈川県の都県境を流れる二級河川。相模湾へ注ぐ。
- 鶴見川 - 町田市上小山田町を源流とし、川崎市・横浜市を経て東京湾へ注ぐ一級河川。多摩丘陵にみられる渓谷である、谷戸を形成する河川のひとつ。
これら以外にも、北多摩の小平市や西東京市の一部では、黒目川といった新川岸川(荒川水系)の支流が流れている。
地質[編集 | ソースを編集]
上総層群は約250万〜50万年前に海中で堆積した海成層で、天然ガス層の南関東ガス田なども埋蔵している。加住礫層は約170万〜180万年前に堆積した地層で、関東山地の隆起や関東平野の沈降に伴う土砂の流出により形成された。昭島市周辺は隆起と沈降の境目にあたり、古地層と新地層が両存している。
化石[編集 | ソースを編集]
断層[編集 | ソースを編集]
多摩地域には、立川断層帯という断層帯が存在する。埼玉県入間郡名栗村付近から青梅市、立川市を経て府中市に至るもので、立川断層や名栗断層などから構成される。以前は立川市以南への延長が議論されたが、近年の調査により多摩川付近で収束すると考えられている。
気候[編集 | ソースを編集]
関東平野の内陸部に位置するため、寒暖差の激しい気候である。平野部は、2025年8月5日に八王子市で40.3度を記録するなど、夏の猛暑が激しい。対して、内陸部は高標高地であることから、奥多摩町などでは-10度以下を記録することもある。
また、フェーン現象やヒートアイランド現象もみられる。
産業[編集 | ソースを編集]
水はけの多い土壌を利用して、東京都心部に近いこともあり、大規模な近郊農業・都市農業が行われている。主な特産品は、東京うど、ブルーベリー、多摩川梨などである。
工業においては、湧水の多さから、精密機械工業が盛んである。かつては軍需産業も盛んであり、現在でも日野市には大規模な自動車工場が存在している。